ボルボXC60ディーゼルが遅れて上陸。熟成したシャシー性能を味わいたい
掲載 更新 carview! 文:石井 昌道/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:石井 昌道/写真:菊池 貴之
昨年10月に発表、発売となったXC60だが、待望のクリーンディーゼルモデル「D4」がようやく日本上陸となった。低回転から図太いトルクを発生し、燃費性能にも優れるディーゼルは、大きくて重いボディであるほどそのメリットが活きてくる。ミッドサイズSUVのXC60にとって真打ちと言っていいだろう。
先代モデルのD4はFFしか用意がなかったが、現行モデルは全車AWD。それでも599万円~というエントリー価格が維持されているのは嬉しい。また、以前は同レベルの装備であればディーゼルのほうが20万円ほど高価であったが、XC60はガソリン直噴ターボのT5と同価格となる。
現在のボルボのエンジンは2014年から始まったパワートレーン戦略、Drive-Eのもので排気量は2.0L以下。1気筒あたり500ccという理想を追ったもので2.0Lは直列4気筒、新しい1.5Lは直列3気筒となる。パフォーマンスや燃費性能は搭載する過給器や電気モーターによってグレード分けされ、T3、T4、T5、T6、T8、D4と6種類のラインアップ。ガソリンとディーゼルの基本構造は同じで共通部品が25%、異なる部品が25%、類似部品が50%。賢くコストを抑えながらユーザーベネフィットを最大化するコンセプトだ。
D4とT5はボア×ストロークも排気量も共通で前者は最高出190ps/4250rpm、最大トルク400Nm/1750-2500rpm、JC08モード燃費16.1km/L。後者は254ps/5500rpm、350Nm/1500-4800rpm、12.6km/Lとなる。
D4はこれまでとスペックに変わりはないが、排ガス中のNOxをより強力に浄化するディーゼル・エキゾースト・フルード・システム、いわゆる尿素SCRシステムの採用が新しい。実走行時の排ガスを測定するリアル・ドライブ・エミッションなど厳しさを増す排ガス規制に対応するかっこうだが、運転している分には従来と変わりない。アドブルーと呼ばれる尿素を定期的に補充する必要はあり、タンク容量11.5Lで1.5~3.0万kmで消費されるという。アドブルーの価格は150円/L 前後と高くはなく、補充も定期点検時にディーラーで行えば十分なのでそれほど煩わしくはないだろう。
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